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技術革新と製薬企業の明日

クライオEMの「実力」

第85回 ラッショナル創薬への転換点

生島准

2017年10月15日号

 今年のノーベル化学賞を受賞したクライオ電子顕微鏡(クライオEM)を知っているだろうか。知らない会社は国際的な新薬開発競争の最前線からはるか遠くに取り残されているのかもしれない。 クライオEMは、たんぱく質やたんぱく質脂質複合体、ウイルスなど幅広い創薬標的の立体構造を原子レベルで解析できる画期的な技術。創薬標的の立体構造を手に取りながら、新薬をデザインしたり、スクリーニングしたりできるようになった。2万~3万化合物にひとつがヒットという、まるで闇夜にカラスを撃つような確率の悪い現在の新薬創製プロセスを大きく変革する技術突破だ。 クライオEMによって、たんぱく質やその複合体の立体構造解析数が急増し始めたのは12年頃と新しい(図)。クライオEMの実用化の最後の鍵を握った半導体CMOSによるカメラの出現がそのきっかけだった。これにより、従来のX...  今年のノーベル化学賞を受賞したクライオ電子顕微鏡(クライオEM)を知っているだろうか。知らない会社は国際的な新薬開発競争の最前線からはるか遠くに取り残されているのかもしれない。 クライオEMは、たんぱく質やたんぱく質脂質複合体、ウイルスなど幅広い創薬標的の立体構造を原子レベルで解析できる画期的な技術。創薬標的の立体構造を手に取りながら、新薬をデザインしたり、スクリーニングしたりできるようになった。2万~3万化合物にひとつがヒットという、まるで闇夜にカラスを撃つような確率の悪い現在の新薬創製プロセスを大きく変革する技術突破だ。 クライオEMによって、たんぱく質やその複合体の立体構造解析数が急増し始めたのは12年頃と新しい(図)。クライオEMの実用化の最後の鍵を握った半導体CMOSによるカメラの出現がそのきっかけだった。これにより、従来のX線や

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