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医政羅針盤

政局の混乱と消費税増税の行方

山形大学大学院医学系研究科医療政策学講座教授 村上正泰

2017年10月15日号

 安倍晋三首相が衆院を解散した。解散するならばこのタイミングしかないという、政治的打算によるものでしかないが、強いてその意義を見出すならば、核・ミサイル実験が繰り返される北朝鮮情勢の緊迫化や中国の膨張主義の強まりなどを背景として、急激に悪化している日本周辺の安全保障環境への対応について、国民に信を問うことであろう。実際、安倍首相も、北朝鮮問題への対応を解散理由のひとつに挙げている。それよりも驚いたのが、もうひとつの突破すべき「国難」である少子化問題に対応するために、消費税増税分の使途を変更するという方針を表明して、それを解散理由にしたことである。 少子化対策にもっと財源を投入する必要があるという点は、多くの人が同意するだろう。今回の方針に首肯できる点があるのも確かである。だが、少なくない疑問も感じざるを得ない。消費税の使途変更は、社会保...  安倍晋三首相が衆院を解散した。解散するならばこのタイミングしかないという、政治的打算によるものでしかないが、強いてその意義を見出すならば、核・ミサイル実験が繰り返される北朝鮮情勢の緊迫化や中国の膨張主義の強まりなどを背景として、急激に悪化している日本周辺の安全保障環境への対応について、国民に信を問うことであろう。実際、安倍首相も、北朝鮮問題への対応を解散理由のひとつに挙げている。それよりも驚いたのが、もうひとつの突破すべき「国難」である少子化問題に対応するために、消費税増税分の使途を変更するという方針を表明して、それを解散理由にしたことである。 少子化対策にもっと財源を投入する必要があるという点は、多くの人が同意するだろう。今回の方針に首肯できる点があるのも確かである。だが、少なくない疑問も感じざるを得ない。消費税の使途変更は、社会保障政

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