「本丸」非小細胞肺がんのＮＩＣＥ評価結果

間違いだらけのＨＴＡ

第28回

東京大学大学院薬学系研究科　五十嵐中

2017年11月1日号

　幾度となく、この連載で取り扱ってきた非小細胞肺がんの「オプジーボ」。「○年○月には、英ＮＩＣＥのアプレイザル委員会の最終結果が出る見通しだ」と記して空振りに終わったことも、１度や２度ではない。こちらが罪悪感を感じてしまうほど待たされたが、ようやく９月20日、最終結果（のドラフト）が公表された。11月には正式文書が発表される「予定」で、今回はこの内容を紹介したい。　まず、評価結果をまとめよう。扁平上皮がん、非扁平上皮がんともに、ＮＨＳ（国民保健サービス）本体の予算ではなく、ＣＤＦ（がん治療薬基金）での推奨となる。ＣＤＦでの推奨の場合、２年以内に再評価が実施され、その後は「本体予算で給付」「非給付」のどちらかの判断が下される。ＣＤＦにもともと規定された２年以内再評価ルールに加え、個々の患者への投与期間も、最大２年間に限定される。一般的な患者アク... 　幾度となく、この連載で取り扱ってきた非小細胞肺がんの「オプジーボ」。「○年○月には、英ＮＩＣＥのアプレイザル委員会の最終結果が出る見通しだ」と記して空振りに終わったことも、１度や２度ではない。こちらが罪悪感を感じてしまうほど待たされたが、ようやく９月20日、最終結果（のドラフト）が公表された。11月には正式文書が発表される「予定」で、今回はこの内容を紹介したい。　まず、評価結果をまとめよう。扁平上皮がん、非扁平上皮がんともに、ＮＨＳ（国民保健サービス）本体の予算ではなく、ＣＤＦ（がん治療薬基金）での推奨となる。ＣＤＦでの推奨の場合、２年以内に再評価が実施され、その後は「本体予算で給付」「非給付」のどちらかの判断が下される。ＣＤＦにもともと規定された２年以内再評価ルールに加え、個々の患者への投与期間も、最大２年間に限定される。一般的な患者アクセス

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