現場が望む社会保障制度
「脱集権化」と分権改革を考える
第30回
ニッセイ基礎研究所准主任研究員(前東京財団研究員) 三原 岳
2017年11月1日号
医療・介護関係者は報酬改定の際、厚生労働省から示される「疑義解釈」「Q&A」を細かくチェックしているのではないだろうか。しかし、ここで「Q:○○の手術は加算に含まれるか、A:含まれる」といった細かいやり取りが交わされているのを見ると、部外者の私には滑稽に映る。 事業者から見れば報酬をもらえるか否か死活問題であり、国に問い合わせたくなる気持ちはわかるし、社会保険制度の下では何らかのかたちで国家が介入することになる。だが、そこら辺りを割り引いたとしても日々の現場の隅々まで国が管理している中央集権ぶりに驚かされるのである。 一方、欧州の医療制度に関する資料を見ていると、「decentralization」(脱中央集権化)という言葉を多く見掛ける。これは計画や財政などの権限を現場や自治体に委ねることを意味しており、その議論を見ると日本にも役立つポイントがある。...
医療・介護関係者は報酬改定の際、厚生労働省から示される「疑義解釈」「Q&A」を細かくチェックしているのではないだろうか。しかし、ここで「Q:○○の手術は加算に含まれるか、A:含まれる」といった細かいやり取りが交わされているのを見ると、部外者の私には滑稽に映る。 事業者から見れば報酬をもらえるか否か死活問題であり、国に問い合わせたくなる気持ちはわかるし、社会保険制度の下では何らかのかたちで国家が介入することになる。だが、そこら辺りを割り引いたとしても日々の現場の隅々まで国が管理している中央集権ぶりに驚かされるのである。 一方、欧州の医療制度に関する資料を見ていると、「decentralization」(脱中央集権化)という言葉を多く見掛ける。これは計画や財政などの権限を現場や自治体に委ねることを意味しており、その議論を見ると日本にも役立つポイントがある。今回
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