長期視点の経営に信頼感 | 医薬経済オンライン

製薬企業の経営診断

長期視点の経営に信頼感

―エーザイ、企業理念の一貫性を評価―

2017年11月1日号

　エーザイは創業から76年目を迎えているが、この間の経営トップは創業家が世襲、内藤晴夫社長は三代目となる。製薬業界には同族色を残している企業が少なくないが、専業大手のトップが現在まで世襲というのはレアケースだ。しかも３代の社長の在任期間は長い。初代の内藤豊次氏は25年、３代目の内藤祐次氏が22年、３代目の晴夫氏は今年で社長在任29年目だ。　世襲によって経営理念は一貫しており、時代の変化に適合するように手を加えているだけだ。経営の視点は長期を俯瞰している。独創的新薬を開発し、これをグローバルに提供するという基本的な経営スタンスにブレはなく、長期政権による弊害は感じられない。　経営の基本理念は、医薬品供給で社会に貢献すること。これを明確なかたちにしたのが、92年に制定した企業理念「ヒューマン・ヘルス・ケア」である。この理念をステークホルダーと共有して... 　エーザイは創業から76年目を迎えているが、この間の経営トップは創業家が世襲、内藤晴夫社長は三代目となる。製薬業界には同族色を残している企業が少なくないが、専業大手のトップが現在まで世襲というのはレアケースだ。しかも３代の社長の在任期間は長い。初代の内藤豊次氏は25年、３代目の内藤祐次氏が22年、３代目の晴夫氏は今年で社長在任29年目だ。　世襲によって経営理念は一貫しており、時代の変化に適合するように手を加えているだけだ。経営の視点は長期を俯瞰している。独創的新薬を開発し、これをグローバルに提供するという基本的な経営スタンスにブレはなく、長期政権による弊害は感じられない。　経営の基本理念は、医薬品供給で社会に貢献すること。これを明確なかたちにしたのが、92年に制定した企業理念「ヒューマン・ヘルス・ケア」である。この理念をステークホルダーと共有して事業

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