医薬経済オンライン

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読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

攻めるプレゼンで学歴の意味を問う

第84回

鍛冶孝雄

2017年11月1日号

 あまり有名ではない私立大学に入学したひとりとしては、昨今のあからさまな学歴偏重主義が快くない。クイズ番組を中心に出演者の出身大学が番組のステータスになっていることが増え、○○大卒イコール優秀という図式があまり批判なく受け入れられている。目くじらを立てるつもりはないが、愉快ではない。新聞社系の週刊誌が大学合格者ランキング報道をやめないところを見ると、私のような人間は少数派なのだろうけど。 今回の読書は「教えて!学長先生 近大学長『常識破りの大学解体新書』」(塩崎均著、中公新書ラクレ)。塩崎氏は近畿大学の学長であり、高名な外科医だ。かつては近大病院長も務めていた。身も蓋もなく同書を一言で語ってしまえば、近大のプレゼンテーション本ということに尽きてしまうかもしれない。 けれども、著者が発する「不本意入学」という言葉と、偏差値主義に対する批判、...  あまり有名ではない私立大学に入学したひとりとしては、昨今のあからさまな学歴偏重主義が快くない。クイズ番組を中心に出演者の出身大学が番組のステータスになっていることが増え、○○大卒イコール優秀という図式があまり批判なく受け入れられている。目くじらを立てるつもりはないが、愉快ではない。新聞社系の週刊誌が大学合格者ランキング報道をやめないところを見ると、私のような人間は少数派なのだろうけど。 今回の読書は「教えて!学長先生 近大学長『常識破りの大学解体新書』」(塩崎均著、中公新書ラクレ)。塩崎氏は近畿大学の学長であり、高名な外科医だ。かつては近大病院長も務めていた。身も蓋もなく同書を一言で語ってしまえば、近大のプレゼンテーション本ということに尽きてしまうかもしれない。 けれども、著者が発する「不本意入学」という言葉と、偏差値主義に対する批判、ある

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