再編に「明け暮れた」医薬品卸
医薬品業界30年を振り返る
2017年11月1日号
医薬品業界の30年はどのようなものだったのだろうか。医薬経済社は創業から今年で30年を迎えた。これを契機に、本誌で業界の過去30年を振り返るとともに、今後の展望などを見ていくことにする。 今回11月1日号では医薬品卸の30年を紹介したい。 まず、次頁を見ていただければ一目瞭然だが、医薬品卸の30年間(正確に言うと92年度以降から25年間)は、再編に明け暮れた時代だった。企業名の左端と右端で明らかなように、25年前の商号が完全なかたちで残っている全国卸はスズケンのみ。また、ホールディングとなったが、東邦もその名を残している。 25年前の92年、流通改善の旗のもとで、医薬品の取引慣行が大きく変わった。それまで製薬企業が病院、診療所に販売する医薬品の値段を決め、医薬品卸が納品していた「建値制」によって、病院、診療所に過剰な薬価差益(1兆3000億円と推計されてい...
医薬品業界の30年はどのようなものだったのだろうか。医薬経済社は創業から今年で30年を迎えた。これを契機に、本誌で業界の過去30年を振り返るとともに、今後の展望などを見ていくことにする。 今回11月1日号では医薬品卸の30年を紹介したい。 まず、次頁を見ていただければ一目瞭然だが、医薬品卸の30年間(正確に言うと92年度以降から25年間)は、再編に明け暮れた時代だった。企業名の左端と右端で明らかなように、25年前の商号が完全なかたちで残っている全国卸はスズケンのみ。また、ホールディングとなったが、東邦もその名を残している。 25年前の92年、流通改善の旗のもとで、医薬品の取引慣行が大きく変わった。それまで製薬企業が病院、診療所に販売する医薬品の値段を決め、医薬品卸が納品していた「建値制」によって、病院、診療所に過剰な薬価差益(1兆3000億円と推計されていた)
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