医薬経済オンライン

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薬剤経済学

PCSK9阻害剤に関する評価の対立

第1回 費用対効果比の値が乖離するとき

2017年11月15日号

 経済性を含む技術評価を給付適用と価格設定に応用する試みは、いくつかの国のリードで経験を重ねてきた。しかし、支払い者・納税者と製薬会社・患者という対立の構図を超えて、科学的に最適な治療コースを示す政策になり得るのか。実際、厳格な技術評価の運用で衝撃を与えた英NICE(医療技術評価機構)は、業界の批判と政権交代を経て透明性向上の努力を放棄し、値下げ交渉のブラック・ボックスに後退している。 論争は支払い者とアカデミア対製薬会社とコンサルタントのかたちをとるが、増分費用効果比に仲介しようがないほどの乖離が生じ、政策活用を混迷させてしまうこともある。 2017年6月までに公表された、PCSK9阻害剤による脂質低減療法に関する6つの経済的評価をプロットすると、標準療法比の獲得QALYあたり費用は12~50万ドルに広がった(図)。臨床結果を把握する前、...  経済性を含む技術評価を給付適用と価格設定に応用する試みは、いくつかの国のリードで経験を重ねてきた。しかし、支払い者・納税者と製薬会社・患者という対立の構図を超えて、科学的に最適な治療コースを示す政策になり得るのか。実際、厳格な技術評価の運用で衝撃を与えた英NICE(医療技術評価機構)は、業界の批判と政権交代を経て透明性向上の努力を放棄し、値下げ交渉のブラック・ボックスに後退している。 論争は支払い者とアカデミア対製薬会社とコンサルタントのかたちをとるが、増分費用効果比に仲介しようがないほどの乖離が生じ、政策活用を混迷させてしまうこともある。 2017年6月までに公表された、PCSK9阻害剤による脂質低減療法に関する6つの経済的評価をプロットすると、標準療法比の獲得QALYあたり費用は12~50万ドルに広がった(図)。臨床結果を把握する前、ス

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