医薬経済オンライン

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読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

畳の上で死ぬためにする覚悟と準備

第85回

鍛冶孝雄

2017年11月15日号

 団塊世代の高齢化が進むなかで、当然のことだが「死ぬということ」をテーマにした書籍が、大きなシェアを確立し始めている。もう少し前であれば、「縁起でもない」話ではあるが、高齢者や高齢家族を抱える人々は、そのときのことを、ある意味むき出しにして、考え、話し合うのに躊躇しなくなっている。 ただ、書籍の方向性はさまざまだ。尊厳死への理解を説く、あるいはいわゆる「終活」のためのノウハウ、看取り、スピリチュアル、死後の世界などさまざまだが、相手にする読者の想定は一定の中流層以上、常識人が対象となっているように見える。「層的構造」から言えば、それ以外の人々への書籍のニーズが考えられないのは、とりあえず正論ではあるが、現実には問題の多くは「それ以外の人々」にも大きく横たわる。「在宅看取り」は、今ではそれを望むことが「良識」のように語られる。しかし、なぜ...  団塊世代の高齢化が進むなかで、当然のことだが「死ぬということ」をテーマにした書籍が、大きなシェアを確立し始めている。もう少し前であれば、「縁起でもない」話ではあるが、高齢者や高齢家族を抱える人々は、そのときのことを、ある意味むき出しにして、考え、話し合うのに躊躇しなくなっている。 ただ、書籍の方向性はさまざまだ。尊厳死への理解を説く、あるいはいわゆる「終活」のためのノウハウ、看取り、スピリチュアル、死後の世界などさまざまだが、相手にする読者の想定は一定の中流層以上、常識人が対象となっているように見える。「層的構造」から言えば、それ以外の人々への書籍のニーズが考えられないのは、とりあえず正論ではあるが、現実には問題の多くは「それ以外の人々」にも大きく横たわる。「在宅看取り」は、今ではそれを望むことが「良識」のように語られる。しかし、なぜそれ

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