医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

製薬企業の経営診断

長期視点の戦略推進が奏功

―塩野義製薬、課題だった脱抗生物質―

2017年11月15日号

 塩野義製薬は創業から140年の歴史を持つが、現社名に変更したのは43年だ。創業者の塩野義三郎の名前から生まれた社名である。似たケースとしては伊藤忠兵衛から社名をとった伊藤忠などがある。塩野家の家業としての性格が強かったから、経営トップには一貫して創業家の出身者が就いたが、08年4月に手代木功氏が創業家以外で初めて社長に就任した。手代木社長は新しい企業像をつくり出す責務を負ったように思えるが、就任から10年目を迎え、成果は着実に生まれている。新たな企業像の形成に十分な時間を与えられたためと見ることができる。 塩野義の往年の企業像は、70年代後半から80年代前半の抗生物質全盛期に最大手だったことでつくられた「抗生物質の塩野義」だ。米イーライ・リリーが開発したセフェム系抗生物質を次々に導入し、さらに自社開発のオキサセフェム系を加えて、強力な営業力と相...  塩野義製薬は創業から140年の歴史を持つが、現社名に変更したのは43年だ。創業者の塩野義三郎の名前から生まれた社名である。似たケースとしては伊藤忠兵衛から社名をとった伊藤忠などがある。塩野家の家業としての性格が強かったから、経営トップには一貫して創業家の出身者が就いたが、08年4月に手代木功氏が創業家以外で初めて社長に就任した。手代木社長は新しい企業像をつくり出す責務を負ったように思えるが、就任から10年目を迎え、成果は着実に生まれている。新たな企業像の形成に十分な時間を与えられたためと見ることができる。 塩野義の往年の企業像は、70年代後半から80年代前半の抗生物質全盛期に最大手だったことでつくられた「抗生物質の塩野義」だ。米イーライ・リリーが開発したセフェム系抗生物質を次々に導入し、さらに自社開発のオキサセフェム系を加えて、強力な営業力と相まっ

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence