医薬経済オンライン

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技術革新と製薬企業の明日

突発的薬価引き下げの副作用

第86回 中外・永山CEOの「危機感」

生島准

2017年11月15日号

 米トランプ大統領来日の直前の10月30日、中外製薬の永山治CEOは、メディアやアナリストを前にCEO説明会を開催した。トランプ大統領は「日本との通商問題と北朝鮮の2つの問題を議論する」と宣言、牛肉など農産物や医薬品などが焦点となることは明らかだった。そこで永山氏が主張したのが、イノベーションの正当な評価だ。これは米国研究製薬工業協会(PhRMA)の主張と軌を一にする。「ハーボニー」などを対象とした特例拡大再算定制度の唐突な導入など、不透明で売上げ規模のみを根拠とした日本の薬価抑制策に的を絞り、日米の業界連携によるロビー活動が始まっていた。「ヒト・ゲノム解読の完了によって、創薬環境は激変しつつある」(永山氏)。03年にヒト・ゲノムの完全解読が終了し、疾患のメカニズムが分子レベルで理解できるようになった。手探りで新薬開発をしてきた時代は終わり、...  米トランプ大統領来日の直前の10月30日、中外製薬の永山治CEOは、メディアやアナリストを前にCEO説明会を開催した。トランプ大統領は「日本との通商問題と北朝鮮の2つの問題を議論する」と宣言、牛肉など農産物や医薬品などが焦点となることは明らかだった。そこで永山氏が主張したのが、イノベーションの正当な評価だ。これは米国研究製薬工業協会(PhRMA)の主張と軌を一にする。「ハーボニー」などを対象とした特例拡大再算定制度の唐突な導入など、不透明で売上げ規模のみを根拠とした日本の薬価抑制策に的を絞り、日米の業界連携によるロビー活動が始まっていた。「ヒト・ゲノム解読の完了によって、創薬環境は激変しつつある」(永山氏)。03年にヒト・ゲノムの完全解読が終了し、疾患のメカニズムが分子レベルで理解できるようになった。手探りで新薬開発をしてきた時代は終わり、科学

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