オプジーボが辿る数奇な運命
“後付け”の制度改革で薬価下げ止まらず
2017年11月15日号
「経営の根幹に関わる薬価制度には、安定性・予見性を求めたい」 これは11月2日、都内で開かれた自民党厚労関係議員と製薬企業有志17社でつくる「製薬産業政策に関する勉強会」で、アステラス製薬の畑中好彦社長(日本製薬工業協会会長)が主張した内容だ。 しかし、この「予見性」という“鉄板”フレーズが、使い古されて完全に錆び付いてはいないだろうか。薬価制度改革に関する近年の政府の対応はとても「ルールを改める」域に収まっていない。財政上の制約から高額薬剤について、薬価が大幅に下落するルールが次々に急拵えされている。 象徴的存在として槍玉に挙がるのが、小野薬品の抗PD1抗体「オプジーボ」。これに限って言えば、薬価を引き下げ続けることが、いつの間にか「国是」と化している。急に半額にされ、今度はそれ以上下げられそうな状況に陥っても、業界から覚悟を持った反対姿勢...
「経営の根幹に関わる薬価制度には、安定性・予見性を求めたい」 これは11月2日、都内で開かれた自民党厚労関係議員と製薬企業有志17社でつくる「製薬産業政策に関する勉強会」で、アステラス製薬の畑中好彦社長(日本製薬工業協会会長)が主張した内容だ。 しかし、この「予見性」という“鉄板”フレーズが、使い古されて完全に錆び付いてはいないだろうか。薬価制度改革に関する近年の政府の対応はとても「ルールを改める」域に収まっていない。財政上の制約から高額薬剤について、薬価が大幅に下落するルールが次々に急拵えされている。 象徴的存在として槍玉に挙がるのが、小野薬品の抗PD1抗体「オプジーボ」。これに限って言えば、薬価を引き下げ続けることが、いつの間にか「国是」と化している。急に半額にされ、今度はそれ以上下げられそうな状況に陥っても、業界から覚悟を持った反対姿勢は示
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