医薬経済オンライン

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鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~

古くても価値ある薬の薬価を上げる逆転の発想を

第51回

鳥集徹

2017年12月1日号

 製薬会社のマーケティングがいかに強力か、それを改めて思い知らされる話を聞いた。ある開業医を取材したのだが、その地域では、「ARBのシェアがあまりに高すぎる」というのだ。 製薬業界の方々には釈迦に説法だが、登場してからだいぶ経つとはいえ、降圧薬のなかでARBは一番新しいタイプだ。従って、それよりも古い降圧薬であるACE阻害薬や、カルシウム拮抗薬、ベータ遮断薬、利尿薬などと比べると薬価が高くなる。 例えば、第一三共のARB「オルメテック錠20㎎」の薬価は現在、112.80円だ。一方、古くから存在する塩野義製薬の利尿薬「フルイトラン錠2㎎」は、薬価が9.6円(1㎎も同じ薬価)。もちろん単純比較はできないけれど、10倍以上の差だ。これでは、製薬会社は売る気にならないだろうなぁ。 もちろん、個々の患者の病態によって、優先して使うべき薬の種類は異なる。A...  製薬会社のマーケティングがいかに強力か、それを改めて思い知らされる話を聞いた。ある開業医を取材したのだが、その地域では、「ARBのシェアがあまりに高すぎる」というのだ。 製薬業界の方々には釈迦に説法だが、登場してからだいぶ経つとはいえ、降圧薬のなかでARBは一番新しいタイプだ。従って、それよりも古い降圧薬であるACE阻害薬や、カルシウム拮抗薬、ベータ遮断薬、利尿薬などと比べると薬価が高くなる。 例えば、第一三共のARB「オルメテック錠20㎎」の薬価は現在、112.80円だ。一方、古くから存在する塩野義製薬の利尿薬「フルイトラン錠2㎎」は、薬価が9.6円(1㎎も同じ薬価)。もちろん単純比較はできないけれど、10倍以上の差だ。これでは、製薬会社は売る気にならないだろうなぁ。 もちろん、個々の患者の病態によって、優先して使うべき薬の種類は異なる。ARB

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