医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

現場が望む社会保障制度

都道府県と市町村の関係を考える

第31回

ニッセイ基礎研究所准主任研究員(前東京財団研究員) 三原 岳

2017年12月1日号

 06年に公開された映画『県庁の星』では冒頭、織田裕二演じるエリート県庁職員が「ケアタウンリゾート ルネッサンス」という机上の高齢者施設プランを大々的に説明する場面から始まる。しかし、私たちの日常生活で都道府県の職員と接する機会はどれぐらいあるだろうか。実は、パスポートの発給ぐらいしか足を踏み入れる機会はない。むしろ住民票の発給、選挙の投票などを通じて市町村との接点が多い。 これに対し、医療分野では都道府県の役割が大きい。例えば、保険医療機関の指定や医療計画の策定、保健所による検査などは、原則として都道府県の権限である。さらに政府は医療費適正化に関して、都道府県の主導性に期待している。 一方、介護・福祉行政では90年代後半から市町村の役割を大きくする改革が進められており、在宅ケアの推進を図るうえでは医療行政の責任が増えている都道府県と、介護...  06年に公開された映画『県庁の星』では冒頭、織田裕二演じるエリート県庁職員が「ケアタウンリゾート ルネッサンス」という机上の高齢者施設プランを大々的に説明する場面から始まる。しかし、私たちの日常生活で都道府県の職員と接する機会はどれぐらいあるだろうか。実は、パスポートの発給ぐらいしか足を踏み入れる機会はない。むしろ住民票の発給、選挙の投票などを通じて市町村との接点が多い。 これに対し、医療分野では都道府県の役割が大きい。例えば、保険医療機関の指定や医療計画の策定、保健所による検査などは、原則として都道府県の権限である。さらに政府は医療費適正化に関して、都道府県の主導性に期待している。 一方、介護・福祉行政では90年代後半から市町村の役割を大きくする改革が進められており、在宅ケアの推進を図るうえでは医療行政の責任が増えている都道府県と、介護・福

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence