読む医療―医師が書いた本の斜め読み―
アスペルガー症候群の誤解を解く
第86回
鍛冶孝雄
2017年12月1日号
今回は『発達障害』(岩波明著、文春新書)。著者は著名な精神科医で、読書子の私も同氏がテレビ出演していたのを観たことがある。 発達障害に関してはNHKが今年5月からプロジェクトをスタート、9月にスペシャル番組を放映した。それだけ関心が高まっていることは理解できるが、私には一般人として、この疾患の社会的認知のされ方に〝強い唐突感〟があることを告白しておく。まるで、最近発掘された遺跡か、恐竜化石のような登場の仕方に見える。 関心が高まった背景には、センセーショナルに報道された子どもたちの殺人に関する事件、最近の労働環境とそれに適応できない人々の問題、学校でのいじめの深刻化、若い人の自殺などがあるのだろうが、それらの問題は労働、教育の現場を含めた社会環境の変化、家族構成の変化など多様な課題が輻輳していると考えるのが自然だ。 事件を起こす、問題...
今回は『発達障害』(岩波明著、文春新書)。著者は著名な精神科医で、読書子の私も同氏がテレビ出演していたのを観たことがある。 発達障害に関してはNHKが今年5月からプロジェクトをスタート、9月にスペシャル番組を放映した。それだけ関心が高まっていることは理解できるが、私には一般人として、この疾患の社会的認知のされ方に〝強い唐突感〟があることを告白しておく。まるで、最近発掘された遺跡か、恐竜化石のような登場の仕方に見える。 関心が高まった背景には、センセーショナルに報道された子どもたちの殺人に関する事件、最近の労働環境とそれに適応できない人々の問題、学校でのいじめの深刻化、若い人の自殺などがあるのだろうが、それらの問題は労働、教育の現場を含めた社会環境の変化、家族構成の変化など多様な課題が輻輳していると考えるのが自然だ。 事件を起こす、問題行動
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