一筆入魂
「出産」描くドラマ「コウノドリ」から見えてくるもの
正答のない選択はパンドラの箱
ノンフィクション作家 辰濃哲郎
2017年12月1日号
テレビドラマを見て、久しぶりに嗚咽するほど泣いた。 産婦人科を舞台にしたドラマ「コウノドリ」は、出産を巡って起きるデリケートな問題に正面から取り組んだ話題作だ。原作は、『モーニング』(講談社)に連載されている鈴ノ木ユウの同タイトルのマンガで、2年前に第1シリーズが放送され、今回はその続編というかたちだ。TBS系で金曜日の午後10時から放送されている。 視聴率は10~13%台と図抜けているわけではないが、妊婦役として1回だけゲスト出演した女優のブログに感動のコメントが殺到するなど、従来のドラマとはひと味違った反響を呼んでいる。 これまで医療を題材にしたドラマは多いが、出産という繊細なテーマを扱う産婦人科を舞台にしたドラマは少ない。出口の見えない不妊治療や胎児にダウン症の可能性があるかを調べる出生前診断など、子を持つ親であれば誰しも直面しながら...
テレビドラマを見て、久しぶりに嗚咽するほど泣いた。 産婦人科を舞台にしたドラマ「コウノドリ」は、出産を巡って起きるデリケートな問題に正面から取り組んだ話題作だ。原作は、『モーニング』(講談社)に連載されている鈴ノ木ユウの同タイトルのマンガで、2年前に第1シリーズが放送され、今回はその続編というかたちだ。TBS系で金曜日の午後10時から放送されている。 視聴率は10~13%台と図抜けているわけではないが、妊婦役として1回だけゲスト出演した女優のブログに感動のコメントが殺到するなど、従来のドラマとはひと味違った反響を呼んでいる。 これまで医療を題材にしたドラマは多いが、出産という繊細なテーマを扱う産婦人科を舞台にしたドラマは少ない。出口の見えない不妊治療や胎児にダウン症の可能性があるかを調べる出生前診断など、子を持つ親であれば誰しも直面しながら正答
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