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薬剤経済学

PCSK9阻害剤に関する評価の対立

第2回 QALY14万~80万ドルに広がる費用対効果比

2017年12月1日号

 脂質低減力から推定される心血管(CV)イベント回避効果に届かなかったPCSK9阻害剤「エボロクマブ」のFOURIE研究は、必然的に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の増分費用効果比=獲得QALYあたり費用の改訂値を悪化させた(表5①-⑫と④-⑨)。ただし、たとえ同じ研究の結果データに基づいた分析であっても、似た結論を約束するわけではない。 FOURIERの一環として行われたG.C.フォナロウ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)らの分析は、QALYあたり15万ドルという緩い受け入れ水準に近く、大幅値下げがないと新薬は受け入れられないとの見方と対立した(⑨⑫対⑩⑪、「エボロクマブのASCVD患者CVイベント減少効果の費用対効果」(JAMAカーディオロジー・オンライン2017年8月23日)。 結論を左右するのは、分析対象の患者構成、CV疾患状態移行の...  脂質低減力から推定される心血管(CV)イベント回避効果に届かなかったPCSK9阻害剤「エボロクマブ」のFOURIE研究は、必然的に動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の増分費用効果比=獲得QALYあたり費用の改訂値を悪化させた(表5①-⑫と④-⑨)。ただし、たとえ同じ研究の結果データに基づいた分析であっても、似た結論を約束するわけではない。 FOURIERの一環として行われたG.C.フォナロウ(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)らの分析は、QALYあたり15万ドルという緩い受け入れ水準に近く、大幅値下げがないと新薬は受け入れられないとの見方と対立した(⑨⑫対⑩⑪、「エボロクマブのASCVD患者CVイベント減少効果の費用対効果」(JAMAカーディオロジー・オンライン2017年8月23日)。 結論を左右するのは、分析対象の患者構成、CV疾患状態移行の蓋然

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