世界の医薬品業界
起きるべくして起きたCVSのエトナ買収
第129回
研ファーマ・ブレーン 永江研太郎
2017年12月15日号
12月3日の日曜日、PBM(薬剤給付管理会社)と薬局チェーンでいずれも2位のCVSヘルスが大手医療保険会社のエトナを買収することで合意したと発表した。買収額は690億ドルで、約70%を現金で支払い、残りはCVSヘルスの株を割り当てる。買収完了後はエトナの株主がCVSヘルスの22%の株式を持つ。エトナのトップを含む幹部3人はCVSヘルスの執行役員となるが、PBMと薬局がCVSヘルスの傘下にあって別々に経営されているのと同様、経営はエトナの経営陣が行う。 この買収が実現すれば、医療保険〜外来薬剤給付のPBM〜小売薬局チェーンという初めての垂直統合となる。エトナは医療保険や薬剤費への圧力が強まるなかで昨年、同業大手のヒューマナの買収を図ったが、FTC(連邦取引委員会)が独禁法に触れるとして承認せず、実現しなかった。今回は時間はかかるものの実現する...
12月3日の日曜日、PBM(薬剤給付管理会社)と薬局チェーンでいずれも2位のCVSヘルスが大手医療保険会社のエトナを買収することで合意したと発表した。買収額は690億ドルで、約70%を現金で支払い、残りはCVSヘルスの株を割り当てる。買収完了後はエトナの株主がCVSヘルスの22%の株式を持つ。エトナのトップを含む幹部3人はCVSヘルスの執行役員となるが、PBMと薬局がCVSヘルスの傘下にあって別々に経営されているのと同様、経営はエトナの経営陣が行う。 この買収が実現すれば、医療保険〜外来薬剤給付のPBM〜小売薬局チェーンという初めての垂直統合となる。エトナは医療保険や薬剤費への圧力が強まるなかで昨年、同業大手のヒューマナの買収を図ったが、FTC(連邦取引委員会)が独禁法に触れるとして承認せず、実現しなかった。今回は時間はかかるものの実現する可能
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