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画期的な「一塩基編集技術」

第87回 単一遺伝子疾患治療に光

生島准

2017年12月15日号

 第3世代のゲノム編集技術「CRISPR―Cas9」が、10月にまた進化を遂げた。一塩基編集技術の出現だ。ゲノムを構成する4種類の塩基(ATGC)を1塩基ずつ精密かつ自在に変換でき、ゲノムDNAを切断したり傷つけたりすることがない。安全で確実な究極のゲノム編集技術である。これによって今まで治療法がなかったハンチントン病や筋ジストロフィーなど多数の単一遺伝子疾患の治療法開発が可能になる。 CRISPR―Cas9は、73年に開発された遺伝子操作技術と比べて、全生物種のゲノムを操作できる汎用性など卓越した性能を持つ。誰でも簡単にゲノム配列を編集できるようになった。米デュポンは農業分野のゲノム編集技術ですでにハイブリッド・トウモロコシ種子の生産を実用化している。だが、最も注目されているのが、細胞医薬や遺伝子治療への応用だ。中国ではCRISPR―Cas9...  第3世代のゲノム編集技術「CRISPR―Cas9」が、10月にまた進化を遂げた。一塩基編集技術の出現だ。ゲノムを構成する4種類の塩基(ATGC)を1塩基ずつ精密かつ自在に変換でき、ゲノムDNAを切断したり傷つけたりすることがない。安全で確実な究極のゲノム編集技術である。これによって今まで治療法がなかったハンチントン病や筋ジストロフィーなど多数の単一遺伝子疾患の治療法開発が可能になる。 CRISPR―Cas9は、73年に開発された遺伝子操作技術と比べて、全生物種のゲノムを操作できる汎用性など卓越した性能を持つ。誰でも簡単にゲノム配列を編集できるようになった。米デュポンは農業分野のゲノム編集技術ですでにハイブリッド・トウモロコシ種子の生産を実用化している。だが、最も注目されているのが、細胞医薬や遺伝子治療への応用だ。中国ではCRISPR―Cas9で

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