医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

読む医療―医師が書いた本の斜め読み―

英国GPの臨床現場から見る総合診療(上)

第87回

鍛冶孝雄

2017年12月15日号

 かかりつけ医と総合診療医はどう違うのか。日本専門医機構が「総合診療専門医」を19番目の臨床基本領域に位置付けたこともあり、その制度論議を通じて、その基本骨格がどうやら異なるということは理解が進んでいると思う。個人的な印象だが、それでも国民の多くがいまだにその違いを認知しているとは考えにくい。 総合診療医をテーマにしたテレビ番組もあるが、疾患の鑑別技術に重点が置かれていて、総合診療の意味を伝える役割を果たしているとは言えない。読書子である私も、きちんとした理解と、それを丁寧に伝えられるかと詰め寄られれば、自信はない。 こうした理解不足、偏った認識を来しているのは、総合診療がプライマリケアの訳語として浸透していること、あるいは「家庭医」と訳されることで、この言葉への日本の開業医たちの強い抵抗感と防御反応が、うまく日本社会に伝わらない理由とも...  かかりつけ医と総合診療医はどう違うのか。日本専門医機構が「総合診療専門医」を19番目の臨床基本領域に位置付けたこともあり、その制度論議を通じて、その基本骨格がどうやら異なるということは理解が進んでいると思う。個人的な印象だが、それでも国民の多くがいまだにその違いを認知しているとは考えにくい。 総合診療医をテーマにしたテレビ番組もあるが、疾患の鑑別技術に重点が置かれていて、総合診療の意味を伝える役割を果たしているとは言えない。読書子である私も、きちんとした理解と、それを丁寧に伝えられるかと詰め寄られれば、自信はない。 こうした理解不足、偏った認識を来しているのは、総合診療がプライマリケアの訳語として浸透していること、あるいは「家庭医」と訳されることで、この言葉への日本の開業医たちの強い抵抗感と防御反応が、うまく日本社会に伝わらない理由とも言え

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence