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審査建言

GPSP改正を科学的安全対策への転換の契機に

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2017年12月15日号

 再審査のための3000例の使用成績調査が、伝統的にあまり疑問も持たれずに、市販後の安全対策の象徴として行われてきた。筆者が厚生省薬務局安全課長だった92年当時、安全課の入口にはコピーを取り終わり、提出から半年程度で企業に返却されるのを待っている磁気テープが山積みにされていた。テープの山を見て、そのために費やされた時間と労力と経費が、医薬品の安全性確保に本当に役立っていたのだろうか、大いに疑問を感じた。 言うまでもないが、調査には対照群もなく、使用患者の選択基準もなく、特段の調査で明らかにすべきリサーチクエスチョンもない。患者データの取捨選択は現場の医師や薬剤師に任されており、製薬企業のMRが医療機関から集め、その対価を支払っていた。 そのような使用成績調査には科学的な意味は乏しく、対照群を置くことは難しいとしても、少なくとも調査対象を小...  再審査のための3000例の使用成績調査が、伝統的にあまり疑問も持たれずに、市販後の安全対策の象徴として行われてきた。筆者が厚生省薬務局安全課長だった92年当時、安全課の入口にはコピーを取り終わり、提出から半年程度で企業に返却されるのを待っている磁気テープが山積みにされていた。テープの山を見て、そのために費やされた時間と労力と経費が、医薬品の安全性確保に本当に役立っていたのだろうか、大いに疑問を感じた。 言うまでもないが、調査には対照群もなく、使用患者の選択基準もなく、特段の調査で明らかにすべきリサーチクエスチョンもない。患者データの取捨選択は現場の医師や薬剤師に任されており、製薬企業のMRが医療機関から集め、その対価を支払っていた。 そのような使用成績調査には科学的な意味は乏しく、対照群を置くことは難しいとしても、少なくとも調査対象を小児や

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