薬剤経済学
PCSK9阻害剤に関する評価の対立
第3回 ハイエストのリスクに絞って活用を
2017年12月15日号
FOURIER研究を受けたPCSK9阻害剤「エボロクマブ」の経済的評価の3番目の改訂で、フロリダ国際大学のA.アリエタは安定した動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者への注射薬追加戦略の費用対効果は獲得QALY(質調整年)あたり33万7729ドルと算定し直した(JAMAカーディオロジー・オンライン2017年10月18日)。約2年の観察で死亡リスク改善効果は認められず、心筋梗塞、脳梗塞の2次予防効果も期待を少し下回った。当初推計35万ドルは50万ドルに悪化するはずだが、12年後にジェネリックが出て、費用は43%下がるというシナリオを組み込んだ。ASCVD患者の余命の後半の費用圧縮だけで費用対効果比は3分の1近く改善する(表8)。血管再形成の必要を減らす効果も合わせれば25.7万ドルに下がる。 しかし、関心はハイリスクASCVDの中でも最も...
FOURIER研究を受けたPCSK9阻害剤「エボロクマブ」の経済的評価の3番目の改訂で、フロリダ国際大学のA.アリエタは安定した動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)患者への注射薬追加戦略の費用対効果は獲得QALY(質調整年)あたり33万7729ドルと算定し直した(JAMAカーディオロジー・オンライン2017年10月18日)。約2年の観察で死亡リスク改善効果は認められず、心筋梗塞、脳梗塞の2次予防効果も期待を少し下回った。当初推計35万ドルは50万ドルに悪化するはずだが、12年後にジェネリックが出て、費用は43%下がるというシナリオを組み込んだ。ASCVD患者の余命の後半の費用圧縮だけで費用対効果比は3分の1近く改善する(表8)。血管再形成の必要を減らす効果も合わせれば25.7万ドルに下がる。 しかし、関心はハイリスクASCVDの中でも最も高リ
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