地の底から這い上がる明治安田の戦略

経済記事の読み方

地の底から這い上がる明治安田の戦略

第3回　生き残りへ激変前夜の生命保険業界

2017年12月15日号

　大手生命保険会社で唯一、合併したのが明治安田生命だ。旧安田生命は１８８０年、明治生命は１８８１年創業。ともに「わが国最古」の冠に拘ってきたが、合併で執着は消えた。　その名が示すとおり、財閥系の生保が合併した背景には、メガバンクグループに代表される金融再編がある。その意味で、トップを競う日本生命と第一生命とは異なり、業界生き残り策でもあった。現在では振り返ることさえなくなった顧客不在の保険再編を、些か遠回りになるが振り返ってみる。　96年の金融制度改革によって生保と損害保険会社の相互参入が解禁した。生保系損保は明治損保、安田ライフ損保、損保系生保は東京海上あんしん生命などがこの年次々と誕生した。三菱銀行と東京銀行が合併したのも、この年だった。さらに３年後に第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行が経営統合を発表し、02年には４大メガバンクグルー... 　大手生命保険会社で唯一、合併したのが明治安田生命だ。旧安田生命は１８８０年、明治生命は１８８１年創業。ともに「わが国最古」の冠に拘ってきたが、合併で執着は消えた。　その名が示すとおり、財閥系の生保が合併した背景には、メガバンクグループに代表される金融再編がある。その意味で、トップを競う日本生命と第一生命とは異なり、業界生き残り策でもあった。現在では振り返ることさえなくなった顧客不在の保険再編を、些か遠回りになるが振り返ってみる。　96年の金融制度改革によって生保と損害保険会社の相互参入が解禁した。生保系損保は明治損保、安田ライフ損保、損保系生保は東京海上あんしん生命などがこの年次々と誕生した。三菱銀行と東京銀行が合併したのも、この年だった。さらに３年後に第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行が経営統合を発表し、02年には４大メガバンクグループが

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