医薬経済オンライン

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現場が望む社会保障制度

「岩盤規制」としての通知行政

第32回

ニッセイ基礎研究所准主任研究員(前東京財団研究員) 三原 岳

2018年1月1日号

 日本では1980年代以降、規制緩和や規制改革の是非が論じられてきた。国会で話題になった「加計学園」の獣医学部参入問題も、もともと、規制改革の一環で浮上した話であり、とくに医療・介護分野は規制が多いとされ、これまでも内閣府に設置される会議体を中心に、株式会社の医療参入解禁や、保険診療と保険外診療の組み合わせを認める「混合診療」などの是非が論じられた。さらに、安倍晋三首相は規制改革を通じて「岩盤規制」をこじ開けるとしつつ、そのひとつに医療を挙げており、16年9月に発足した「規制改革推進会議」は介護保険と保険外サービスの組み合わせを容易にする「混合介護の弾力化」を論じている。 しかし、部外者の筆者から見ると不思議なことがある。民間の創意工夫を阻害しているとされる規制の根拠が法令ではなく、法的拘束力が弱い通知に基づいている点である。今回は厚生行...  日本では1980年代以降、規制緩和や規制改革の是非が論じられてきた。国会で話題になった「加計学園」の獣医学部参入問題も、もともと、規制改革の一環で浮上した話であり、とくに医療・介護分野は規制が多いとされ、これまでも内閣府に設置される会議体を中心に、株式会社の医療参入解禁や、保険診療と保険外診療の組み合わせを認める「混合診療」などの是非が論じられた。さらに、安倍晋三首相は規制改革を通じて「岩盤規制」をこじ開けるとしつつ、そのひとつに医療を挙げており、16年9月に発足した「規制改革推進会議」は介護保険と保険外サービスの組み合わせを容易にする「混合介護の弾力化」を論じている。 しかし、部外者の筆者から見ると不思議なことがある。民間の創意工夫を阻害しているとされる規制の根拠が法令ではなく、法的拘束力が弱い通知に基づいている点である。今回は厚生行政に

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