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時流遡航

哲学の脇道遊行記―その道筋概観

第1回 ─脇道散策の動機と若き日の哲学的挫折─

本田成親

2018年1月1日号

 後期高齢者の身となった今、認知症罹患者のリスト入りを少しでも先延ばしにしたいという意図なども働き、自ら進んで脳細胞活性化のトレーニングに挑んでみようとかと考えるようになりました。そしてそんななかでふと思い立ったのが、哲学の世界の脇道をふらふらと彷徨い歩きつつ、錆びつきかけた頭を少しでも使うようにしてみたらどうだろうということなのでした。 京都の東山の山麓伝いには「哲学の道」と呼ばれる静かな散策路があるのですが、学生時代、その地の文化と歴史に憧れて京都の街々を訪ね回った折などには、柄にもなくその小道を辿ったこともありました。哲学の本道などにはおよそ無縁なこの身ゆえに、大哲学者の西田幾多郎らが深い思索に耽りながら踏みしめ歩いたとかいうその哲学の道を散策する資格などあろうはずもなかったのです。ただ、そこは若気の至りとでも言うべきだったのでし...  後期高齢者の身となった今、認知症罹患者のリスト入りを少しでも先延ばしにしたいという意図なども働き、自ら進んで脳細胞活性化のトレーニングに挑んでみようとかと考えるようになりました。そしてそんななかでふと思い立ったのが、哲学の世界の脇道をふらふらと彷徨い歩きつつ、錆びつきかけた頭を少しでも使うようにしてみたらどうだろうということなのでした。 京都の東山の山麓伝いには「哲学の道」と呼ばれる静かな散策路があるのですが、学生時代、その地の文化と歴史に憧れて京都の街々を訪ね回った折などには、柄にもなくその小道を辿ったこともありました。哲学の本道などにはおよそ無縁なこの身ゆえに、大哲学者の西田幾多郎らが深い思索に耽りながら踏みしめ歩いたとかいうその哲学の道を散策する資格などあろうはずもなかったのです。ただ、そこは若気の至りとでも言うべきだったのでしょう

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