読む医療―医師が書いた本の斜め読み―
英国GPの臨床現場から見る総合診療(下)
第88回
鍛冶孝雄
2018年1月1日号
12月15日号に引き続き、17年6月に上梓された『医者は患者をこう診ている』(グレアム・イーストン、栗木さつき訳、河出書房新社)を読む。日本国内ではなかなか議論がまとまらない総合診療専門医だが、読書子の私は、同書が初の英国型総合診療専門医であるGP(General Practitioner)のまとまったガイドブックではないかとの印象を強く受けた。著者や監修者もそうした認識を示していることが、2回にわたって同書を紹介する動機だ。 総合診療医とそれに付随する英国と日本の健康保険システムの違い、医療提供体制の構造の違いなどについては前回触れたので、今回は同書の内容に分け入る。時間という「支配者」 同書は、総合診療医の基本的診療時間である1患者あたり10分間の予約診療風景を、多様な18人の患者を巡るストーリーを展開することによって眺めている。診療は午前7時半に開始。18人の...
12月15日号に引き続き、17年6月に上梓された『医者は患者をこう診ている』(グレアム・イーストン、栗木さつき訳、河出書房新社)を読む。日本国内ではなかなか議論がまとまらない総合診療専門医だが、読書子の私は、同書が初の英国型総合診療専門医であるGP(General Practitioner)のまとまったガイドブックではないかとの印象を強く受けた。著者や監修者もそうした認識を示していることが、2回にわたって同書を紹介する動機だ。 総合診療医とそれに付随する英国と日本の健康保険システムの違い、医療提供体制の構造の違いなどについては前回触れたので、今回は同書の内容に分け入る。時間という「支配者」 同書は、総合診療医の基本的診療時間である1患者あたり10分間の予約診療風景を、多様な18人の患者を巡るストーリーを展開することによって眺めている。診療は午前7時半に開始。18人の患者
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