医薬経済オンライン

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保険薬価での「業界振興」は終わった

革新的薬と基礎的薬以外は評価されない時代

(株)薬新 井高恭彦

2018年1月1日号

 18年4月の薬価制度改革の全体像が決まった。新薬、長期収載品、後発品すべての薬価が引き下げに作用する厳しい内容である。 政府が16年12月に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」をまとめて以降、首相官邸、財務省、厚生労働省の協議が密になった。中央社会保険医療協議会・薬価専門部会の議論を尻目に共同で改革原案を作成、17年11月16日、国内の主要製薬企業の幹部を都内ホテルに内々に集め、概要を説明した。各社幹部らは皆、息を呑んだ。配布された資料に、これまで聞いたこともなかった薬価抑制策がいくつも並べられていたからだ。 11月30日に開かれた日本製薬工業協会主催の懇談会で、挨拶に立った日本製薬団体連合会の多田正世会長は政界、官界の参会者を前に悲壮感を隠さなかった。「今回の制度案は、拾い上げられた項目、細部に渡る配慮、さらには小項目間の論理的な関係性など、非常...  18年4月の薬価制度改革の全体像が決まった。新薬、長期収載品、後発品すべての薬価が引き下げに作用する厳しい内容である。 政府が16年12月に「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」をまとめて以降、首相官邸、財務省、厚生労働省の協議が密になった。中央社会保険医療協議会・薬価専門部会の議論を尻目に共同で改革原案を作成、17年11月16日、国内の主要製薬企業の幹部を都内ホテルに内々に集め、概要を説明した。各社幹部らは皆、息を呑んだ。配布された資料に、これまで聞いたこともなかった薬価抑制策がいくつも並べられていたからだ。 11月30日に開かれた日本製薬工業協会主催の懇談会で、挨拶に立った日本製薬団体連合会の多田正世会長は政界、官界の参会者を前に悲壮感を隠さなかった。「今回の制度案は、拾い上げられた項目、細部に渡る配慮、さらには小項目間の論理的な関係性など、非常に複

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