医薬経済オンライン

医療・医薬業界をさまざまな視点・論点から示すメディア

審査建言

病院前の「景色」を変えるには

医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス財団理事長 土井脩

2018年1月15日号

 医薬分業の進展が病院前の景色を一変させた。その結果、何をもたらしたのか。医薬分業率が低かった頃は、長野県上田地区のような、地域の薬局を軸とした典型的な分業定着地区を除いて、診療所と薬局が何らかのかたちで「1対1」で結び付いた医薬分業が占めていた。このような結び付きは、医師の処方を歪める恐れがあった。 旧厚生省は80年代に、医薬分業のメリットを患者に享受してもらえるよう、全国8地区を医薬分業推進モデル地区として設定した。しかし、旧厚生省薬務局(現在の医薬・生活衛生局)の力では、思い描いていた医薬分業は推進できなかった。 一方、保険局は薬価を引き下げて、当時問題となっていた薬価差を圧縮する方向に舵を切った。薬価差よりも診療報酬上でのインセンティブが有利と見た医療機関が院外処方箋を大量に出し、一気に「かたちだけ」の医薬分業が進展した。そして、...  医薬分業の進展が病院前の景色を一変させた。その結果、何をもたらしたのか。医薬分業率が低かった頃は、長野県上田地区のような、地域の薬局を軸とした典型的な分業定着地区を除いて、診療所と薬局が何らかのかたちで「1対1」で結び付いた医薬分業が占めていた。このような結び付きは、医師の処方を歪める恐れがあった。 旧厚生省は80年代に、医薬分業のメリットを患者に享受してもらえるよう、全国8地区を医薬分業推進モデル地区として設定した。しかし、旧厚生省薬務局(現在の医薬・生活衛生局)の力では、思い描いていた医薬分業は推進できなかった。 一方、保険局は薬価を引き下げて、当時問題となっていた薬価差を圧縮する方向に舵を切った。薬価差よりも診療報酬上でのインセンティブが有利と見た医療機関が院外処方箋を大量に出し、一気に「かたちだけ」の医薬分業が進展した。そして、現在

有料会員限定

会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください

【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)

googleAdScence