エンディングノート
松井久子 映画監督
第10回
2018年1月15日号
息子は私を決して残酷な目に遭わせない作品だけ残し、生きた痕跡はすべてなくす 今まで何に恵まれたかというと何よりも人に恵まれました。とても幸せなことだと思います。 50歳を過ぎたときに自分のなかに創りたいものが溢れ出てきたという感じだったんですね。それまで、映画を撮ったことも監督をしたこともないのに、アルツハイマー型認知症にかかっている高齢女性を主人公にした映画『ユキエ』を撮りました。 女性監督の作品が珍しかったせいでしょう、ユキエを観てくれた方たちが、他の人にも観てほしいからと日本各地で自主上映会を開いてくれました。会場を探してチケットを売って、大変な手間がかかることをボランティアでやってくださった。 普通の映画監督と違って、私の映画は大手の配給会社では扱ってもらえません。上映会活動をやってくれる大勢のサポーターがいてくれたから、多くの方...
息子は私を決して残酷な目に遭わせない作品だけ残し、生きた痕跡はすべてなくす 今まで何に恵まれたかというと何よりも人に恵まれました。とても幸せなことだと思います。 50歳を過ぎたときに自分のなかに創りたいものが溢れ出てきたという感じだったんですね。それまで、映画を撮ったことも監督をしたこともないのに、アルツハイマー型認知症にかかっている高齢女性を主人公にした映画『ユキエ』を撮りました。 女性監督の作品が珍しかったせいでしょう、ユキエを観てくれた方たちが、他の人にも観てほしいからと日本各地で自主上映会を開いてくれました。会場を探してチケットを売って、大変な手間がかかることをボランティアでやってくださった。 普通の映画監督と違って、私の映画は大手の配給会社では扱ってもらえません。上映会活動をやってくれる大勢のサポーターがいてくれたから、多くの方に観
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