医薬経済オンライン

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突き付けられた究極の選択

「効き目」か「安定供給」かのインフルワクチン

ノンフィクション作家 辰濃哲郎

2018年2月1日号

 今季のインフルエンザワクチンの選定過程で、世界が期待する日本発のインフルエンザウイルス株の効き目を主張する国立感染症研究所(感染研)と、安定供給を使命とする厚生労働省との間で究極の選択が突きつけられていたことは、あまり知られていない。 今世界では、H3N2、H1N1のA型ウイルス株に、B型の2つのワクチンの計4種のウイルス株を使う4価ワクチンが主流だ。日本の場合、感染研のワクチン株選定のための検討委員会でウイルス株を選び、その結論を踏まえて厚労省健康局長が決定することになっている。 これまで感染研の選定委員会が選んだウイルス株と厚労省の意向が一致しなかったことはない。今回、初めて意見の相違が起きたのだ。その経緯を辿ってみよう。 今季のウイルス株を選ぶ感染研の第1回選定委員会は、17年2月16日に開かれた。WHOの意向や各地域での流行状況な...  今季のインフルエンザワクチンの選定過程で、世界が期待する日本発のインフルエンザウイルス株の効き目を主張する国立感染症研究所(感染研)と、安定供給を使命とする厚生労働省との間で究極の選択が突きつけられていたことは、あまり知られていない。 今世界では、H3N2、H1N1のA型ウイルス株に、B型の2つのワクチンの計4種のウイルス株を使う4価ワクチンが主流だ。日本の場合、感染研のワクチン株選定のための検討委員会でウイルス株を選び、その結論を踏まえて厚労省健康局長が決定することになっている。 これまで感染研の選定委員会が選んだウイルス株と厚労省の意向が一致しなかったことはない。今回、初めて意見の相違が起きたのだ。その経緯を辿ってみよう。 今季のウイルス株を選ぶ感染研の第1回選定委員会は、17年2月16日に開かれた。WHOの意向や各地域での流行状況などの

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