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トップは「盤石」と言えぬ東京海上HD

第1回 寡占化が進んだ損保業界の現在

2018年2月15日号

 金融の業態で最も寡占が進んでいるのは、損害保険業界だろう。銀行の場合は3つのメガバンクグループのほかに信託銀行や地銀・第二地銀と裾野が広がっているが、損保では「メガ損保」と言われる3つのグループが業界シェアの8割以上を抑えて業界をほぼ制圧している。 損保の再編統合劇は2幕ある。第1幕は01年の「ミレア保険グループ」結成の時期、第2幕は10年の「MS&AD」と「NKSJ」のヨコ文字損保グループの発足の前後だ。再編の仕掛け人は、業界トップの東京海上だった。 損保業界にも銀行業界と同じように再編統合の序章があった。 96年に施行された新保険業法で、生命保険と損害保険の子会社方式による参入が認められた。東京海上もこの年、「東京海上あんしん生命」を設立し、ほかの大手損保もこれに倣う。都市銀行が再編統合の前に、次々と証券や信託の子会社を設立したのと酷似...  金融の業態で最も寡占が進んでいるのは、損害保険業界だろう。銀行の場合は3つのメガバンクグループのほかに信託銀行や地銀・第二地銀と裾野が広がっているが、損保では「メガ損保」と言われる3つのグループが業界シェアの8割以上を抑えて業界をほぼ制圧している。 損保の再編統合劇は2幕ある。第1幕は01年の「ミレア保険グループ」結成の時期、第2幕は10年の「MS&AD」と「NKSJ」のヨコ文字損保グループの発足の前後だ。再編の仕掛け人は、業界トップの東京海上だった。 損保業界にも銀行業界と同じように再編統合の序章があった。 96年に施行された新保険業法で、生命保険と損害保険の子会社方式による参入が認められた。東京海上もこの年、「東京海上あんしん生命」を設立し、ほかの大手損保もこれに倣う。都市銀行が再編統合の前に、次々と証券や信託の子会社を設立したのと酷似して

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