大病院の「薬局用地争奪戦」はさらに過熱
敷地内薬局に「居場所」与えた18年度改定
2018年3月1日号
「病院から一番近くて安い、さらには『実績』まである超良質な調剤薬局。国はこれをどんどん増やしていくという意思表示だろう」 2月7日、厚生労働省が中央社会保険医療協議会に示した18年度調剤報酬改定案を見た大手調剤チェーン幹部は、厚労省の“裏メッセージ”をこう読み解いた。18年度改定は、病院の「敷地内薬局」に医療保険制度を支えるプレイヤーとして「居場所と役割を与える改定」と推察したのである。 敷地内薬局と言えば、昨今の日本の医薬分業をめぐる「問題児」として、話題が尽きない。とくに厚労省が16年10月に敷地内薬局を事実上解禁する規制緩和を行ってからは、各地の国立大学病院や日本赤十字病院が、敷地内の「アメニティ施設」整備と謳って、薬局誘致に前のめりになってきた。 公募の条件には、露骨に薬局から金銭を毟り取ろうと読み取れる内容もあった。年間売上高を毎年病院に報...
「病院から一番近くて安い、さらには『実績』まである超良質な調剤薬局。国はこれをどんどん増やしていくという意思表示だろう」 2月7日、厚生労働省が中央社会保険医療協議会に示した18年度調剤報酬改定案を見た大手調剤チェーン幹部は、厚労省の“裏メッセージ”をこう読み解いた。18年度改定は、病院の「敷地内薬局」に医療保険制度を支えるプレイヤーとして「居場所と役割を与える改定」と推察したのである。 敷地内薬局と言えば、昨今の日本の医薬分業をめぐる「問題児」として、話題が尽きない。とくに厚労省が16年10月に敷地内薬局を事実上解禁する規制緩和を行ってからは、各地の国立大学病院や日本赤十字病院が、敷地内の「アメニティ施設」整備と謳って、薬局誘致に前のめりになってきた。 公募の条件には、露骨に薬局から金銭を毟り取ろうと読み取れる内容もあった。年間売上高を毎年病院に報告
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