現場が望む社会保障制度
介護・福祉提供体制の「ガバナンス」問題を考える
第34回
ニッセイ基礎研究所准主任研究員(前東京財団研究員) 三原 岳
2018年3月1日号
18年は日本国憲法の改正論議が高まるかもしれない。戦争と軍事力の放棄を定めた9条改正の是非に関心が向かいがちだが、介護・福祉提供体制でも違憲・合憲が取り沙汰される条文がある。「公の支配」に属さない法人に対し、公金の支出を禁じた89条の規定であり、これに沿えば社会福祉法人(社福)に対する補助金が禁じられていると読むこともできる。実際、自民党が昨年末に公表した論点整理では、89条を私学助成に絡めて改正する必要性に言及している。 では、社福を含めて介護・福祉提供体制の「ガバナンス」はどうなっているだろうか。実は、近年の法改正で社福のガバナンスを強化する制度改革が進んでおり、現場は制度改正に追われている。 今回は医療提供体制を考えた1月1日号と同様、「ガバナンスとは統治のプロセスを指す」(マーク・ベビア『ガバナンスとは何か』)という考え方の下、介護...
18年は日本国憲法の改正論議が高まるかもしれない。戦争と軍事力の放棄を定めた9条改正の是非に関心が向かいがちだが、介護・福祉提供体制でも違憲・合憲が取り沙汰される条文がある。「公の支配」に属さない法人に対し、公金の支出を禁じた89条の規定であり、これに沿えば社会福祉法人(社福)に対する補助金が禁じられていると読むこともできる。実際、自民党が昨年末に公表した論点整理では、89条を私学助成に絡めて改正する必要性に言及している。 では、社福を含めて介護・福祉提供体制の「ガバナンス」はどうなっているだろうか。実は、近年の法改正で社福のガバナンスを強化する制度改革が進んでおり、現場は制度改正に追われている。 今回は医療提供体制を考えた1月1日号と同様、「ガバナンスとは統治のプロセスを指す」(マーク・ベビア『ガバナンスとは何か』)という考え方の下、介護・福
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