変革期迎えた中国医薬品業界
医薬品の共同入札制度
第11回 厄介な仕組みも外資製品好む病院
シード・プランニング 沈友敏
2018年3月15日号
ある省で行われた医薬品の共同入札において、中国国内のL社が製造販売するセフェム系抗生物質の「セフォタキシムナトリウム注1g」(日本製品名=クラフォラン)の落札価格が、同省のA地域で5.70元、B地域で6.80元、C地域で1.86元だった。ちなみに、同製品の一般小売価格は2.50元。つまり、A地域、B地域の落札価格は一般小売価格より2倍以上も高かった。共同入札の目的は医薬品の価格を引き下げることだが、このようなケースを見ると、果たして意味はあるのだろうかと疑問に感じてしまう。 今回は、医薬品の共同入札制度について取り上げてみたい。 中国政府は00年7月、不透明な医薬品流通市場を是正するため、医薬品の共同入札の方針を打ち出した。その後、制度運用に関する意見書や施行規定が次から次へと公表されている。しかし、すでに十数年が経った今も、依然として問題は多く、...
ある省で行われた医薬品の共同入札において、中国国内のL社が製造販売するセフェム系抗生物質の「セフォタキシムナトリウム注1g」(日本製品名=クラフォラン)の落札価格が、同省のA地域で5.70元、B地域で6.80元、C地域で1.86元だった。ちなみに、同製品の一般小売価格は2.50元。つまり、A地域、B地域の落札価格は一般小売価格より2倍以上も高かった。共同入札の目的は医薬品の価格を引き下げることだが、このようなケースを見ると、果たして意味はあるのだろうかと疑問に感じてしまう。 今回は、医薬品の共同入札制度について取り上げてみたい。 中国政府は00年7月、不透明な医薬品流通市場を是正するため、医薬品の共同入札の方針を打ち出した。その後、制度運用に関する意見書や施行規定が次から次へと公表されている。しかし、すでに十数年が経った今も、依然として問題は多く、課題
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