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経済記事の読み方

企業体がわかりにくい「MS&AD」の実力

第2回 寡占化が進んだ損保業界の現在

2018年3月15日号

 正式な社名は、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社。29字である。もしかしたら日本一長いのではないか。覚えやすく工夫して利用者に親しみを感じてもらう意識がないのだろう。メガバンクの社名も長いが、損保業界は「顧客無視」ではその上を行く。 社名同様にわかりにくい企業体である。10年4月に誕生するまでの経緯を追ってみよう。 グループは損保3社、生保2社を傘下に抱えている。 業界3位争いをしていた三井海上と住友海上が住友銀行とさくら銀行の合併で、01年10月に合併し、三井住友海上になった。同年4月に準大手の大東京火災と、トヨタ自動車と親密関係にある千代田火災が合併して「あいおい損保」となる。 一方、生損保の相互参入で日本生命が96年に設立した損保子会社のニッセイ損保と老舗の同和火災が01年4月に合併して「ニッセイ同和損保」になり、三...  正式な社名は、MS&ADインシュアランスグループホールディングス株式会社。29字である。もしかしたら日本一長いのではないか。覚えやすく工夫して利用者に親しみを感じてもらう意識がないのだろう。メガバンクの社名も長いが、損保業界は「顧客無視」ではその上を行く。 社名同様にわかりにくい企業体である。10年4月に誕生するまでの経緯を追ってみよう。 グループは損保3社、生保2社を傘下に抱えている。 業界3位争いをしていた三井海上と住友海上が住友銀行とさくら銀行の合併で、01年10月に合併し、三井住友海上になった。同年4月に準大手の大東京火災と、トヨタ自動車と親密関係にある千代田火災が合併して「あいおい損保」となる。 一方、生損保の相互参入で日本生命が96年に設立した損保子会社のニッセイ損保と老舗の同和火災が01年4月に合併して「ニッセイ同和損保」になり、三井住

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