医薬経済オンライン

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読む医療ー医師が書いた本の斜め読みー

医療市場競争の本格化を予感させる読書

第93回

鍛冶孝雄

2018年3月15日号

 医療関連の取材のなかで、かなりの数の医師と出会った。よく考えてみると、学術関係はほぼ無縁だったので、どうしても病院長や理事長、開業医との触れ合いが圧倒的に多い。しかし、当該病院や診療所本体の経営を直接的に尋ねる取材は数えるほどしかない。 経営に関する話を最も聞いたのは、実は九州の地方都市で開業する叔父。彼はその季節が来ると、診療報酬改定や薬価改定の動向を私に聞きたがった。実際に医業経営に携わる叔父に、記者根性丸出しのいい加減な情報は話しづらい。当方の言葉が澱むと、叔父は政府や医師会、中央社会保険医療協議会メンバーの批判を始め、甥への話しやすさも手伝って自院の経営への影響を滔々と語るのだが、その話を聞きながら、いつも診療所経営は傍目で見るほど楽ではないなという感想を持たされた。 取材で出会った開業医も多様だ。地域の一介の医師であることに...  医療関連の取材のなかで、かなりの数の医師と出会った。よく考えてみると、学術関係はほぼ無縁だったので、どうしても病院長や理事長、開業医との触れ合いが圧倒的に多い。しかし、当該病院や診療所本体の経営を直接的に尋ねる取材は数えるほどしかない。 経営に関する話を最も聞いたのは、実は九州の地方都市で開業する叔父。彼はその季節が来ると、診療報酬改定や薬価改定の動向を私に聞きたがった。実際に医業経営に携わる叔父に、記者根性丸出しのいい加減な情報は話しづらい。当方の言葉が澱むと、叔父は政府や医師会、中央社会保険医療協議会メンバーの批判を始め、甥への話しやすさも手伝って自院の経営への影響を滔々と語るのだが、その話を聞きながら、いつも診療所経営は傍目で見るほど楽ではないなという感想を持たされた。 取材で出会った開業医も多様だ。地域の一介の医師であることに誇り

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