鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~
異常な医学部受験ブーム 国は釘を刺すべきときだ
第58回
鳥集徹
2018年3月15日号
この3月20日に、『医学部』(文春新書)という本を出すことになった。ちょうど、国公立大学医学部後期日程の合格発表が行われる頃だ。次の医学部受験を考えている生徒や保護者、医療関係者に広く読んでほしいと願っている。 医師不足による医療崩壊が叫ばれ、08年に医学部定員増が決まった頃から、空前の医学部受験ブームが続いている。とくに、東海(愛知)や灘(兵庫)、洛南(京都)といった超有名な受験エリート高校で医学部志向が強くなった。全国模試で上位を競うような人たちが、こぞって医学部を狙うようになったのだ。 だが、筆者はこのことにずっと違和感を抱いてきた。文部科学省が「医学教育モデル・コアカリキュラム」を示した01年頃から、医学部はどこも臨床医育成に重点を置いた「職業訓練校」の色合いがより強くなったからだ。にもかかわらず、東京大学理科Ⅲ類(医学部進学コース)...
この3月20日に、『医学部』(文春新書)という本を出すことになった。ちょうど、国公立大学医学部後期日程の合格発表が行われる頃だ。次の医学部受験を考えている生徒や保護者、医療関係者に広く読んでほしいと願っている。 医師不足による医療崩壊が叫ばれ、08年に医学部定員増が決まった頃から、空前の医学部受験ブームが続いている。とくに、東海(愛知)や灘(兵庫)、洛南(京都)といった超有名な受験エリート高校で医学部志向が強くなった。全国模試で上位を競うような人たちが、こぞって医学部を狙うようになったのだ。 だが、筆者はこのことにずっと違和感を抱いてきた。文部科学省が「医学教育モデル・コアカリキュラム」を示した01年頃から、医学部はどこも臨床医育成に重点を置いた「職業訓練校」の色合いがより強くなったからだ。にもかかわらず、東京大学理科Ⅲ類(医学部進学コース)が
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