間違いだらけのHTA
さまざまな「閾値」設定方法
第33回
東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中
2018年4月1日号
費用対効果評価では、介入ごとの費用と効果を計算して、それぞれの差分を求める。効果のものさしとしてもっともよく使われるのは、質調整生存年(QALY)だ。費用の差分を獲得QALYの差分で割り、1QALY獲得あたりの増分費用効果比(ICER)を計算する。ICERの値は小さければ小さいほどいい(図参照)が、QALYをものさしにした場合は、一応の基準として閾値(上限値)が提案されている。上限値との大小比較で費用対効果の良し悪しを決める。薬剤経済の基礎中の基礎である。33回も連載を重ねて、何を今さら、と思われた読者も多いと察する。前述した流れは、教科書的にはまったく自然である。ただし、教科書的・理論的にスムースな流れが、そのまま実際のHTA機関で応用されているかは、また別の問題だ。ポイントは「閾値(上限値)が提案されている」の部分だ。講演で薬剤経済の...
費用対効果評価では、介入ごとの費用と効果を計算して、それぞれの差分を求める。効果のものさしとしてもっともよく使われるのは、質調整生存年(QALY)だ。費用の差分を獲得QALYの差分で割り、1QALY獲得あたりの増分費用効果比(ICER)を計算する。ICERの値は小さければ小さいほどいい(図参照)が、QALYをものさしにした場合は、一応の基準として閾値(上限値)が提案されている。上限値との大小比較で費用対効果の良し悪しを決める。薬剤経済の基礎中の基礎である。33回も連載を重ねて、何を今さら、と思われた読者も多いと察する。前述した流れは、教科書的にはまったく自然である。ただし、教科書的・理論的にスムースな流れが、そのまま実際のHTA機関で応用されているかは、また別の問題だ。ポイントは「閾値(上限値)が提案されている」の部分だ。講演で薬剤経済の基礎
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