鳥集徹の口に苦い話~媚びないジャーナリストの劇薬処方箋~
在宅医療の光と影 目を背けず「死」を語る社会に
第59回
鳥集徹
2018年4月1日号
連載している文春オンラインで、在宅医の長尾和宏医師にインタビューした。 兵庫県尼崎市の長尾クリニックで地域の在宅医療に取り組む長尾医師は、ベストセラー『「平穏死」10の条件』(ブックマン)など多くの著作で知られている。昨年末、在宅医療の光と影を本音で書いた『痛い在宅医』(同社)を出版し、話題となった。文春オンラインでのインタビュー記事は、その本の内容をテーマにしたものだ。3月に掲載した3回の記事は、数週にわたってランキング上位に入るなど、大きな反響を呼んだ。 これまで、マスコミではとにかく在宅看取りの「美談」ばかりを伝えてきた。点滴をジャブジャブ打たれ、溺れるような苦しみや痛みの中で亡くなる「病院死」に対して、在宅での看取りは点滴を打てないぶん、苦痛なく枯れるように亡くなる「平穏死」──マスコミは、そんなストーリーを仕立ててきた。 筆者も...
連載している文春オンラインで、在宅医の長尾和宏医師にインタビューした。 兵庫県尼崎市の長尾クリニックで地域の在宅医療に取り組む長尾医師は、ベストセラー『「平穏死」10の条件』(ブックマン)など多くの著作で知られている。昨年末、在宅医療の光と影を本音で書いた『痛い在宅医』(同社)を出版し、話題となった。文春オンラインでのインタビュー記事は、その本の内容をテーマにしたものだ。3月に掲載した3回の記事は、数週にわたってランキング上位に入るなど、大きな反響を呼んだ。 これまで、マスコミではとにかく在宅看取りの「美談」ばかりを伝えてきた。点滴をジャブジャブ打たれ、溺れるような苦しみや痛みの中で亡くなる「病院死」に対して、在宅での看取りは点滴を打てないぶん、苦痛なく枯れるように亡くなる「平穏死」──マスコミは、そんなストーリーを仕立ててきた。 筆者も、在
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