武田で続く「突如退任」の背景
グローバル企業の宿命か、その歪みか
(株)薬新 井高恭彦
2018年4月15日号
武田薬品の最高財務責任者(CFO)、ジェームズ・キーホー氏と、武田コンシューマーヘルスケア(CHC)の代表取締役社長、杉本雅史氏が3月31日付で退任した。退任の背景、理由はまったく異なるが、いずれも唐突感は否めない。 キーホー氏の前任で15年6月までCFOを務めたフランソワ・ロジェ氏の在任期間は1年10ヵ月。その後1年代理で凌ぎ、16年6月にキーホー氏を迎え入れたが、結局2年(取締役就任後1年)に満たなかった。ロジェ氏は、世界最大手食品メーカー、ネスレ(スイス)、キーホー氏は世界最大手ドラッグストアチェーン、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(米)に引き抜かれた。ネスレ、ウォルグリーンともに売上高約10兆円、従業員数30万人超で、武田をはるかに凌ぐ巨大企業だ。移籍する当人らからすれば間違いなくキャリアアップである。 武田の難しい財務状況を改善し...
武田薬品の最高財務責任者(CFO)、ジェームズ・キーホー氏と、武田コンシューマーヘルスケア(CHC)の代表取締役社長、杉本雅史氏が3月31日付で退任した。退任の背景、理由はまったく異なるが、いずれも唐突感は否めない。 キーホー氏の前任で15年6月までCFOを務めたフランソワ・ロジェ氏の在任期間は1年10ヵ月。その後1年代理で凌ぎ、16年6月にキーホー氏を迎え入れたが、結局2年(取締役就任後1年)に満たなかった。ロジェ氏は、世界最大手食品メーカー、ネスレ(スイス)、キーホー氏は世界最大手ドラッグストアチェーン、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(米)に引き抜かれた。ネスレ、ウォルグリーンともに売上高約10兆円、従業員数30万人超で、武田をはるかに凌ぐ巨大企業だ。移籍する当人らからすれば間違いなくキャリアアップである。 武田の難しい財務状況を改善したと
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