平時医療体制の破綻に備える~電光石火こそ最良の有事医療~
バイオテロリズムの対抗策
第50回
愛知医科大学 非常勤講師 照井資規
2018年4月15日号
4月4日、京都府舞鶴市で開催された大相撲舞鶴場所で、土俵上で多々見良三市長が挨拶中に倒れたのを見て、駆け寄って救命手当をした看護師の女性らに「土俵から下りるように」との場内アナウンスが流れたと報道され、問題となった。日本では生命の危機についての考え方が成熟していないことを露呈したのが最大の問題だ。 これは、日本でいまだに救命の場面に限り免責する「よきサマリア人の法」の考え方が浸透しておらず、まだ民法第698条「緊急事務管理」の解釈で対処しようとしていることの表れだ。これでは先進国とはとても言えない。多々見市長が倒れた原因はクモ膜下出血で、病院搬送された手術後の容体は安定している。クモ膜下出血で危険な不整脈を伴うというのは相当な重症だ。市長は医師であり、土俵に駆け上がった看護師は市長が院長を務めていた病院に勤務していた。その看護師が胸骨...
4月4日、京都府舞鶴市で開催された大相撲舞鶴場所で、土俵上で多々見良三市長が挨拶中に倒れたのを見て、駆け寄って救命手当をした看護師の女性らに「土俵から下りるように」との場内アナウンスが流れたと報道され、問題となった。日本では生命の危機についての考え方が成熟していないことを露呈したのが最大の問題だ。 これは、日本でいまだに救命の場面に限り免責する「よきサマリア人の法」の考え方が浸透しておらず、まだ民法第698条「緊急事務管理」の解釈で対処しようとしていることの表れだ。これでは先進国とはとても言えない。多々見市長が倒れた原因はクモ膜下出血で、病院搬送された手術後の容体は安定している。クモ膜下出血で危険な不整脈を伴うというのは相当な重症だ。市長は医師であり、土俵に駆け上がった看護師は市長が院長を務めていた病院に勤務していた。その看護師が胸骨圧迫
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