医薬経済オンライン

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間違いだらけのHTA

閾値4分類では見落とされる手法

第34回

東京大学大学院薬学系研究科 五十嵐中

2018年5月1日号

 費用対効果の閾値、言い換えれば増分費用効果比(ICER)の「上限値」の決め方は、以下の4通りに大別される。①広く許容されている特定の医療技術のICERを参考にする方法②国内総生産(GDP)などの経済指標に連動させる方法③1QALY(質調整生存年)に対する支払意思による方法④医療プログラムの導入に伴う機会費用 前回4月1日号では①と②を取り扱った。今回は残りの2つの手法「+α」を紹介しよう。 まず、③1QALY獲得に対する支払意思による方法である。17年後半から今年にかけて、中央社会保険医療協議会の専門部会でも大きな議論になった手法だ。支払意思法が閾値を決める唯一の手法と誤解されている向きもあるが、この連載で「4つ」の手法を扱っているように、あくまで数ある手法のなかの1つと言える。 支払意思法の基本的な発想は、売買されていない、売買できないものに...  費用対効果の閾値、言い換えれば増分費用効果比(ICER)の「上限値」の決め方は、以下の4通りに大別される。①広く許容されている特定の医療技術のICERを参考にする方法②国内総生産(GDP)などの経済指標に連動させる方法③1QALY(質調整生存年)に対する支払意思による方法④医療プログラムの導入に伴う機会費用 前回4月1日号では①と②を取り扱った。今回は残りの2つの手法「+α」を紹介しよう。 まず、③1QALY獲得に対する支払意思による方法である。17年後半から今年にかけて、中央社会保険医療協議会の専門部会でも大きな議論になった手法だ。支払意思法が閾値を決める唯一の手法と誤解されている向きもあるが、この連載で「4つ」の手法を扱っているように、あくまで数ある手法のなかの1つと言える。 支払意思法の基本的な発想は、売買されていない、売買できないものについ

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