医薬経済オンライン

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平時医療体制の破綻に備える〜電光石火こそ最良の有事医療〜

日本国内へのAED普及の課題

第51回

愛知医科大学 非常勤講師 照井資規

2018年5月1日号

 4月4日、京都府舞鶴市で開催された大相撲舞鶴場所にて、クモ膜下出血による心停止で多々見市長が倒れたわずか37秒後に、土俵に駆け上がった看護師が胸骨圧迫を開始したことが国内外で報道された。その際「クモ膜下出血であるのに胸骨圧迫をしてもいいのか」との疑問の声が上がった。 だが、脳の疾患でも心停止の場合は胸骨圧迫により脳への血流を保つべきだ。脳は身体の全重量のうち2%を占めるに過ぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%を消費するうえに、自ら酸素やエネルギー源となるブドウ糖を蓄える機能がない。そのため、脳への血流が絶たれると秒単位で脳を構成する神経細胞が死滅していく。数十秒であっても脳への血流を絶やしてはならない。 加えて、胸骨圧迫前に看護師が脈拍と呼吸の確認を十分に行わなかったとの指摘も出たが、経験豊富な医療従事者でも突然倒れた人の脈拍を正確...  4月4日、京都府舞鶴市で開催された大相撲舞鶴場所にて、クモ膜下出血による心停止で多々見市長が倒れたわずか37秒後に、土俵に駆け上がった看護師が胸骨圧迫を開始したことが国内外で報道された。その際「クモ膜下出血であるのに胸骨圧迫をしてもいいのか」との疑問の声が上がった。 だが、脳の疾患でも心停止の場合は胸骨圧迫により脳への血流を保つべきだ。脳は身体の全重量のうち2%を占めるに過ぎないにもかかわらず、全エネルギーの18%を消費するうえに、自ら酸素やエネルギー源となるブドウ糖を蓄える機能がない。そのため、脳への血流が絶たれると秒単位で脳を構成する神経細胞が死滅していく。数十秒であっても脳への血流を絶やしてはならない。 加えて、胸骨圧迫前に看護師が脈拍と呼吸の確認を十分に行わなかったとの指摘も出たが、経験豊富な医療従事者でも突然倒れた人の脈拍を正確に触

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