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浮かんでは消える「厚労省分割」論
2018年5月1日号
01年の中央省庁再編は、政治主導の政策決定を旗印に縦割り行政の防止と官邸(内閣)機能の強化をめざした戦後初の本格的再編だった。その背景には、バブル崩壊後の金融行政に対する国民の不信感や薬害エイズ事件に関係した旧厚生省の不祥事があった。 しかし現在、再編によって誕生した巨大官庁による業務効率の低下が深刻になった。その悪しき例として、いつも名前が挙がるのは10以上の局を擁する厚生労働省だ。確かに厚労省の業務は年々膨張し続けている。しかも医療・年金・介護の社会保障、少子高齢化対応、雇用や働き方改革など、すべて国民生活に密着した重要な業務であり、ある程度の組織の肥大化は致し方ない面もある。 09年5月15日、当時の麻生太郎首相は安心社会実現会議で、厚労省を分割し、医療・年金・介護などを所管する「社会保障省」と、雇用や少子化などを担当する「国民生活省」...
01年の中央省庁再編は、政治主導の政策決定を旗印に縦割り行政の防止と官邸(内閣)機能の強化をめざした戦後初の本格的再編だった。その背景には、バブル崩壊後の金融行政に対する国民の不信感や薬害エイズ事件に関係した旧厚生省の不祥事があった。 しかし現在、再編によって誕生した巨大官庁による業務効率の低下が深刻になった。その悪しき例として、いつも名前が挙がるのは10以上の局を擁する厚生労働省だ。確かに厚労省の業務は年々膨張し続けている。しかも医療・年金・介護の社会保障、少子高齢化対応、雇用や働き方改革など、すべて国民生活に密着した重要な業務であり、ある程度の組織の肥大化は致し方ない面もある。 09年5月15日、当時の麻生太郎首相は安心社会実現会議で、厚労省を分割し、医療・年金・介護などを所管する「社会保障省」と、雇用や少子化などを担当する「国民生活省」を新
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