現場が望む社会保障制度
18年度同時改定を読む=「診療報酬改定」
第37回
ニッセイ基礎研究所准主任研究員 三原 岳
2018年6月1日号
太平洋戦争の敗因のひとつに、陸軍と海軍の連携不足があったことは誰も否定しないだろう。陸軍と海軍は作戦計画上の優先順位の設定などで対立し、敗戦につながった。同じ目的に対し、異なる組織が同時に関わると、両者の連携が難しくなる一例と言える。 では、政府が進めている医療提供体制改革はどうだろうか。「惑星直列」と呼ばれた18年度の制度改正では、診療報酬改定を通じて急性期病床の圧縮が図られた。一方、17年3月までに各都道府県が策定した“地域医療構想〟は18年度改定の「医療計画」に継承されたことで、団塊の世代が75歳以上となる25年を視野に入れつつ、各地域で急性期病床を中心に病床機能再編に向けた論議が進むことが期待されている。 ここでひとつの事実に気づく。診療報酬と地域医療構想は「急性期病床の圧縮」という同じ目的を持っている点である。そして、陸海軍の失敗から学...
太平洋戦争の敗因のひとつに、陸軍と海軍の連携不足があったことは誰も否定しないだろう。陸軍と海軍は作戦計画上の優先順位の設定などで対立し、敗戦につながった。同じ目的に対し、異なる組織が同時に関わると、両者の連携が難しくなる一例と言える。 では、政府が進めている医療提供体制改革はどうだろうか。「惑星直列」と呼ばれた18年度の制度改正では、診療報酬改定を通じて急性期病床の圧縮が図られた。一方、17年3月までに各都道府県が策定した“地域医療構想〟は18年度改定の「医療計画」に継承されたことで、団塊の世代が75歳以上となる25年を視野に入れつつ、各地域で急性期病床を中心に病床機能再編に向けた論議が進むことが期待されている。 ここでひとつの事実に気づく。診療報酬と地域医療構想は「急性期病床の圧縮」という同じ目的を持っている点である。そして、陸海軍の失敗から学ぶ
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