タミフル「10歳代解禁」　乱用に歯止めも必要だ

鳥集徹の口に苦い話～媚びないジャーナリストの劇薬処方箋～

第63回

鳥集徹

2018年6月1日号

　久しぶりに、この薬の名前をニュースで見た。　厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が５月16日に、中外製薬の抗インフルエンザ薬「タミフル」（一般名＝オセルタミビル）に課している「10歳代への原則使用差し控え」を解除する方針を了承したという（姉妹紙ＲＩＳＦＡＸ18年５月17日付）。　タミフル服用後の異常行動によって、10歳代の子どもたちの転落死などが相次ぎ、問題になった頃、筆者もよく「週刊朝日」などで記事にした。タミフルと異常行動死との因果関係を否定した厚労省研究班のメンバーのほとんどが中外製薬から奨学寄附金を得ていたこともスクープしたので、もしかしたら、業界関係者からは恨まれていたかもしれない（今も？）。実際は危険を感じたことはなかったが、あの頃、よくマスコミの人たちなどから、「電車に乗るときは、後ろに気をつけたほうがいいよ」などと言わ... 　久しぶりに、この薬の名前をニュースで見た。　厚生労働省の薬事・食品衛生審議会安全対策調査会が５月16日に、中外製薬の抗インフルエンザ薬「タミフル」（一般名＝オセルタミビル）に課している「10歳代への原則使用差し控え」を解除する方針を了承したという（姉妹紙ＲＩＳＦＡＸ18年５月17日付）。　タミフル服用後の異常行動によって、10歳代の子どもたちの転落死などが相次ぎ、問題になった頃、筆者もよく「週刊朝日」などで記事にした。タミフルと異常行動死との因果関係を否定した厚労省研究班のメンバーのほとんどが中外製薬から奨学寄附金を得ていたこともスクープしたので、もしかしたら、業界関係者からは恨まれていたかもしれない（今も？）。実際は危険を感じたことはなかったが、あの頃、よくマスコミの人たちなどから、「電車に乗るときは、後ろに気をつけたほうがいいよ」などと言われた

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