読む医療—医師が書いた本の斜め読み—
がん細胞進化と人間の叡智の闘い
第98回
鍛冶孝雄
2018年6月1日号
「趣味は」と訊かれて、読書と答える人が減っているように思う。読書子の私が青春時代だった頃などは、質問に困ると読書と答えておけば、その場が収まるような雰囲気があった。しかし、時代が変わり、趣味の中身も多様化した。読書と答えると、適当でいい加減な奴と思われかねない。読書が衰退し、出版不況が長引き、小さな町の書店がものすごい勢いで減っているらしいと聞くと、私の時代感覚もそう間違ってはいないようだ。 ただ、読書は楽しいと確信する。自分の知識ではハードルが高すぎると思っても、その内容が半分も理解できなくても、読者は自分勝手に満足すればよいという側面がある。知的興味にほんのわずかな知的興奮が随伴すると、自己満足は得られる。つまらなかったら投げ出す権利も読者にはある。 今回の読書は『こわいもの知らずの病理学講義』(仲野徹著、晶文社刊)。17年9月に上梓...
「趣味は」と訊かれて、読書と答える人が減っているように思う。読書子の私が青春時代だった頃などは、質問に困ると読書と答えておけば、その場が収まるような雰囲気があった。しかし、時代が変わり、趣味の中身も多様化した。読書と答えると、適当でいい加減な奴と思われかねない。読書が衰退し、出版不況が長引き、小さな町の書店がものすごい勢いで減っているらしいと聞くと、私の時代感覚もそう間違ってはいないようだ。 ただ、読書は楽しいと確信する。自分の知識ではハードルが高すぎると思っても、その内容が半分も理解できなくても、読者は自分勝手に満足すればよいという側面がある。知的興味にほんのわずかな知的興奮が随伴すると、自己満足は得られる。つまらなかったら投げ出す権利も読者にはある。 今回の読書は『こわいもの知らずの病理学講義』(仲野徹著、晶文社刊)。17年9月に上梓され
有料会員限定
会員登録(有料)
この記事をお読みいただくためには、会員登録(有料)が必要です。
新規会員登録とマイページ > 購読情報から購入手続きをお願いいたします。
※IDをお持ちの方はログインからお進みください
【会員登録方法】
会員登録をクリックしていただくと、新規会員仮登録メール送信画面に移動します。
メールアドレスを入力して会員登録をお願い致します。
1ユーザーごとの登録をお願い致します。(1ユーザー1アカウントです)
ログイン
会員登録