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OBSERVER

酒井文義・クレディ・スイス証券株式調査部ディレクター、シニアアナリスト

2018年6月15日号

「新生タケダ」の鍵は日本――武田薬品のシャイアー買収を前向きに評価されていますか。酒井 個人的には2つの側面があると思う。製薬業界を長年見てきたが、15~20年前は「日の丸製薬」が必要だという議論があった。それが結局、アステラス製薬、第一三共で止まっている。「日の丸製薬」が後退した理由は、アステラスと第一三共が、なかなか思うような成果を出せていないからではないか。一定の成果を上げるのに時間がかかることは、確かに理解できる。ただ、漏れ伝わってくる統合後の激しい社内政治や、組織をスリム化できず「体重過多」で動かなければならない状況など、弊害ばかりがクローズアップされている。このため国内勢同士の大型合併に関しては、急速に動きが萎んでしまった。 しかし、本当にそれでいいのか、という議論は常にあった。薬価制度抜本改革を見てもそうだが、日本政府は、創薬研... 「新生タケダ」の鍵は日本――武田薬品のシャイアー買収を前向きに評価されていますか。酒井 個人的には2つの側面があると思う。製薬業界を長年見てきたが、15~20年前は「日の丸製薬」が必要だという議論があった。それが結局、アステラス製薬、第一三共で止まっている。「日の丸製薬」が後退した理由は、アステラスと第一三共が、なかなか思うような成果を出せていないからではないか。一定の成果を上げるのに時間がかかることは、確かに理解できる。ただ、漏れ伝わってくる統合後の激しい社内政治や、組織をスリム化できず「体重過多」で動かなければならない状況など、弊害ばかりがクローズアップされている。このため国内勢同士の大型合併に関しては、急速に動きが萎んでしまった。 しかし、本当にそれでいいのか、という議論は常にあった。薬価制度抜本改革を見てもそうだが、日本政府は、創薬研究や

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