「高くて遅い審査」で臨床研究が危機
新法施行2ヵ月で研究者から不満噴出
2018年6月15日号
自動車を買うと2~3年に1回、受ける必要がある車検。普通自動車の検査費の相場は10万円ぐらいだが、この金額が2倍、3倍になったら、車の所有者は戸惑い、怒るかもしれない。そんな笑えない出来事が臨床研究の審査費で起きている。 4月から施行された臨床研究法。新設の「特定臨床研究」というカテゴリーに当てはまることになった研究に関しては、従来とは別の審査を受けなければ開始できなくなった。これまでの審査では質にバラツキがあり、杜撰な研究がすり抜けてしまったため、厚生労働省がより厳しい仕組みを設けたのだ。 制度趣旨そのものは結構なのだが、問題はその手数料。これまで数万円ですんでいた手数料が突然、30万円、50万円に跳ね上がり、100万円もとる施設まで出てきた。20万円という低めの設定もあるものの、いずれにしても概ね上昇する。これには国立循環器病研究センター...
自動車を買うと2~3年に1回、受ける必要がある車検。普通自動車の検査費の相場は10万円ぐらいだが、この金額が2倍、3倍になったら、車の所有者は戸惑い、怒るかもしれない。そんな笑えない出来事が臨床研究の審査費で起きている。 4月から施行された臨床研究法。新設の「特定臨床研究」というカテゴリーに当てはまることになった研究に関しては、従来とは別の審査を受けなければ開始できなくなった。これまでの審査では質にバラツキがあり、杜撰な研究がすり抜けてしまったため、厚生労働省がより厳しい仕組みを設けたのだ。 制度趣旨そのものは結構なのだが、問題はその手数料。これまで数万円ですんでいた手数料が突然、30万円、50万円に跳ね上がり、100万円もとる施設まで出てきた。20万円という低めの設定もあるものの、いずれにしても概ね上昇する。これには国立循環器病研究センターの臨
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