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鳥集徹の口に苦い話〜媚びないジャーナリストの劇薬処方箋〜

心不全治療の「ハートシート」 再生医療を「眉唾もの」にするな

第64回

鳥集徹

2018年6月15日号

 著名な心臓血管外科医で、大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹教授が研究に携わるテルモの「ハートシート」に対して、この5月29日(日本時間30日)に英科学誌「ネイチャー」が効果を疑問視する意見を掲載したというニュースを読んだ(姉妹紙RISFAX「『ハートシート』の評価、日本政府に要求 英ネイチャー 再生医療製品の承認制度に懸念、『早急に動く必要』」18年5月31日)。 筋肉組織の骨格筋芽細胞を培養してシート状にしたハートシートは、心臓表面に貼ることで心不全を改善する効果があるとされ、政府が再生医療の実用化を推進するために導入した「条件及び期限付き承認」の第1号製品となった。 しかし、過去のRISFAXの報道を遡ると、どうやらハートシートは「いわくつき」の製品であるらしい。17年10月4日には、阪大で行われた臨床試験で「移植後にも症状が悪化している患者群...  著名な心臓血管外科医で、大阪大学大学院医学系研究科の澤芳樹教授が研究に携わるテルモの「ハートシート」に対して、この5月29日(日本時間30日)に英科学誌「ネイチャー」が効果を疑問視する意見を掲載したというニュースを読んだ(姉妹紙RISFAX「『ハートシート』の評価、日本政府に要求 英ネイチャー 再生医療製品の承認制度に懸念、『早急に動く必要』」18年5月31日)。 筋肉組織の骨格筋芽細胞を培養してシート状にしたハートシートは、心臓表面に貼ることで心不全を改善する効果があるとされ、政府が再生医療の実用化を推進するために導入した「条件及び期限付き承認」の第1号製品となった。 しかし、過去のRISFAXの報道を遡ると、どうやらハートシートは「いわくつき」の製品であるらしい。17年10月4日には、阪大で行われた臨床試験で「移植後にも症状が悪化している患者群が存

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